非正規労働問題の定義とは

非正規労働者とは、パートタイマー、アルバイト、契約社員、派遣社員、請負などのことです。1990年には雇用者の約5分の1にとどまっていましたが、バブル崩壊後に増え、現在では雇用者の約3分の1にまで達しました。こうした人たちが今回の急速な景況悪化により、雇止めなどで失業するケースが増えています。
非正規雇用の問題は、他にも給料が少ないこと、雇用が不安定なこと、キャリア形成が整備されていないことなどの問題があります。

非正規雇用の背景

この背景には、会社にとって「人手が足りない時にだけ働いてほしい」という希望があり、雇用のフレキシビリティに関する理由があります。また、パートタイマーなどの賃金の低さに注目して、会社がコストダウンのために非正規労働を増やした、という背景もあります。つまり、従業員をすべて正社員にしてしまうと、景気が悪化して仕事が減少したときに余剰人員が発生しやすくなるという、会社側の思惑があるのです。

かつての非正規労働問題

非正規雇用問題はいまに始まったことではありません。ただし、かつては非正規労働といえばいわゆる「主婦パート」や「学生アルバイト」など、そのほとんどが、家計においては主の労働者ではなく、補助的な役割しか担わない人たちでした。つまり、正社員である世帯主がいたので、非正規労働の失業が生活の困窮につながりにくかったわけです。

しかし、正社員として就職できず、非正規労働を続けている人や、母子家庭の母などで、非正規労働の収入で生計を維持する人がかなりの規模に拡大しました。こうした人たちは非正規雇用の賃金では貯えなども十分でなく、失業すれば即座に生活が困窮する事態になるのです。

新たな非正規労働問題

非正規雇用問題は、単に正社員になれればいいということでもなく、いったん正社員になったものの長時間労働で心身をすり減らしてフリーターに転じざるを得ないというケースもあります。たとえ正社員転換の道があったとしても、今より長時間労働になるなら、あえて望まないというケースも少なくありません。
時間管理の徹底や、ワーク・ライフ・バランスが実現など、賃金だけでなく労働時間の要因もあるのです。非正規労働であっても技能を蓄積し、能力を伸ばし、キャリアを形成していけるしくみ作りとその支援だといわれています。これには法律の改正など、政策としての取り組みが必要です。