労働問題とは

近年、労働者と使用者の間で、解雇や未払残業代、労働条件の変更等が原因で発生する紛争が増えています。これは会社の経営環境悪化による人件費削減や、労働者の権利意識の高まり等が背景となっています。会社側が、法律に準拠した適正な労務管理を実施しなかったことに起因して起こった事例や、就業規則が未整備で労働契約書すら交わしていないという事例、また問題が発生したときの対応も不適切で大きな問題に発生するという事例など、多くの問題が起こっています。

労働問題の世界史

労働問題には歴史があります。世界初の労働問題は、イギリスで1811年に起こりました。
世界に先駆けて産業革命が起こったイギリスでは、労働者の代わりに生産用機械が作業を行うようになったため、多くの労働者が解雇されました。職を失った労働者たちは団結して、生産用機械を壊すという運動を起こしました。これが世界最初の労働者による争議行為です。それまでは弱い立場であった労働者たちが団結して使用者たちと戦い、労働者の権利を訴えたのです。
これを受け、英国政府は労働者の権利を保護するために、工場法を制定しました。この法律は、労働者の権利を保障した世界初の法律であるといわれています。

一方ドイツでは、社会主義者マルクスの指導のもと、労働組合の世界的組織である「第1インターナショナル」が1864年に設立されました。そして1919年には、国際連盟の中に「ILO(国際労働機関)」が設置し、現在も活動を続けています。ILOは、世界規模で労働問題の解決に取り組む機関です。

労働問題の日本史

日本では、1925制定の治安維持法により、労働組合を組織したり、労働者が集会を開いたりすることを、警察が厳しく取り締まるという状態が、長く続きました。
しかし、第二次世界大戦が終結し、アメリカ軍による占領政策が始まると、治安維持法は廃止され、労働三法が制定されました。これにより、労働者の権利や労働組合の活動が認められるようになりました。GHQの経済民主化三大改革でも、労働組合の育成が目標とされ、労働組合の活発化していきまいた。

日本の会社は、終身雇用制度・年功序列賃金など、諸外国にはない体質がありました。景気が悪くなり、これらの見直しを行われるようになると、リストラなどの問題が発生するようになりました。
最近では、若者の労働組合離れも進み、日本の労働組合運動は衰退してきています。